花とうた声による鎮魂と復興への祈り 2011.7.10
Part1:イベント開始前
7月10日朝8時半、仙台の中心街の一角、一番町四丁目商店街。
三越前の遊歩道ではすでに草月流宮城県支部の有志の方々によって、竹のモニュメントが青空高々と設置され、震災復興チャリティーイベントの準備が着々と進んでいました。
数時間後に被災地のいけばな人による一般参加のイベントが行われるとは正直、想像できません。激震の日から、どうやって……短期間でここまでたどり着いたのか!?
その陰には、個々の使命感と支部会員連携による入念な準備があったのです。
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草月会員内でも、津波の被害が大きかった沿岸部では多数の被災者が出たことが、支部の調査で判明しているそうです。「さまざまなボランティアを身近に目にしながら、植物に携わっている者として何かできないか、ということを4月初めには考えていました」(支部長の鈴木陽翠さん)。
その機運は高まり、5月、6月の準備期間を経、震災4ヶ月を迎える前日、「被災された方一人ひとりに笑顔で花をいけてもらいたい」という市民主導の企画が実現したのです。
花材も地元産にこだわり、8月出荷ピークのひまわりだけは間に合いませんでしたが、それでも方々探し、ガーベラは石巻JAの協力を得て、2000本を調達することができたそうです。
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Part2:献花→コーラス→子供いけばな体験
開始予定の1時間前(午前10時少し前)には、津波警報が出るほどの余震(三陸沖マグニチュード7.1)が発生し、外でも揺れを感じ、いま被災地にいることを改めて実感しました。
そんな不安をよそに、イベントは順調に進み、幼い子供からご年輩の方まで花を手に、鎮魂と復興への祈りが捧げられます。
午後には、その花々の前に地元の金剛沢小合唱団が登場し、清澄な歌声が辺りに響きわたりました。
SYC(草月ヤングチャレンジャーズ)宮城4による、いけばな体験チャリティーも行われ、活況を博しました。親子連れを見ていると、特設テントの花に最初に目を注ぐのは、なぜか子供のほうです。
イベント終了後は、周辺の商店などに一軒一軒感謝の花束を届けたそうです。
東北でのいけばな人による特別行事としてはおそらく初となる今回の復興祈念イベント。
被災地自らが立ち上がったことは、どうすべきか? と戸惑っていた全国の同胞にも大きな安心感を与え、これを皮切りに、いけばな界でも復興支援の活動がさらに活発化していくことが期待されます。