大奥・花絵巻~映画「大奥」を活ける~
著●横井紅炎
映画のシーンに本物のいけばな在り
10月1日に封切りされた話題の映画「大奥」。そのいけばな装飾を担当したのが横井紅炎である。
この本では作品写真をメインに、シーンごとに花をどんな思いでいけていったかが、映画のあらすじやエピソードなどを織り交ぜながら簡潔に語られている。
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映画のためとはいえ、それ自体は本物のいけばな。作品だけでも迫力に満ち、よりリアルな空気を生み出したことがうかがえる。器も祖母から受け継いだものを持ち込んで使ったという。
母の急逝後、いけばなに打ち込んで10年。今度の機会はその大きな成果ではないだろうか?
「豪華絢爛な大奥の世界を、美しいキャストと素晴らしいスタッフの方々とともに花を活け上げることができました(序文より抜粋)」
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巻末には伝統的な花の由来や言い伝えのページが加えられている。
映画を見た人も、これから目にする人にも、その面白さをいけばなの観点から増幅させてくれる、エンターテインメント性あふれる花の作品集。